東京大学大学院工学系研究科マテリアル工学専攻

森田研究室

~材料製造・循環工学研究室~

溶融Fe-Cr-O合金の表面張力

山本耕司 森田一樹


 溶融鉄合金の表面張力は鉄鋼精錬プロセスにおける気泡や介在物の制御やガス‐メタル反応などの界面現象の理解に有用であり、特にステンレス鋼にお いてはその主要合金元素であるクロムを含む溶融Fe-Cr合金の表面張力が有用となる。しかし、これまでに測定されたFe-Cr合金の表面張力は非常にば らつきが大きく、その原因として表面活性元素である酸素やイオウの混入による表面張力の低下が考えられる。そこで本研究では、表面活性元素である酸素を含 む溶融Fe-Cr-O合金の表面張力を評価することを目的とした。測定温度において融解した試料を写真にとりその形状から表面張力を計算する静適法を用い て測定を行った(Fig.1,2)。測定結果から、同じクロム濃度において溶融Fe-Cr-O合金中の酸素の活量の増加がその表面張力を減少させること、 また、クロムの濃度の増加がその傾向を顕著にすることがわかった。現在、より広い酸素濃度及びクロム濃度において調査中である。

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